交通事故と個室使用料
1 個室使用料
入院する場合、一般的には、個室と大部屋があります。
個室を使用する場合には、個室使用料が発生するため、大部屋よりも金額が高くなることが多いです。
大部屋では、4人以上の病床となるので、情報交換できたり、交友関係が作られやすいというメリットでありますが、他方で、個室と比べてプライバシーの面で不安であったり、面会時間が制限されることもあるといったデメリットがあります。
このような点から、個室を希望される方は少なくありません。
2 交通事故で個室使用料が認められる場合
交通事故で入院した際に個室を使用しても、その個室使用料が必ずしも賠償として認められるとは限りません。
傷病の部位、程度、治療上の必要性、個室の使用期間などの事情を考慮して、個室を使用する必要性・相当性が認められる場合に、賠償として認められることになります。
3 個室使用の必要性について
個室を使用する必要性については、例えば、個室使用について医師の指示がある場合や、個室を使用しなければならないほど症状が重篤である場合に認められやすいといえます。
このように、基本的には、個室を利用した方が治療の有効性が期待できるという事情が必要となりますが、大部屋の空き室がなく個室を使用する必要がある場合といった場合にも、必要性が認められることがあります。
4 個室使用の相当性について
個室を使用する相当性については、例えば、症状が改善して通常の大部屋であっても治療が可能となった場合や、当初は大部屋に空きがなかったものの、空きができた場合などでは、あえて個室を使用する合理的理由はなくなるため、相当性が否定されやすいといえます。
5 弁護士にご相談を
事案によっては長期入院が必要となり、個室使用料が多額になることもあります。
そのため、保険会社も個室使用の必要性、相当性を争ってくることは少なくありません。
賠償交渉でお困りの方は、お早目に弁護士にご相談されることをお勧めします。