高次脳機能障害の等級認定に必要な検査に関するQ&A
高次脳機能障害の等級認定ではどのような検査が必要ですか?
高次脳機能障害は脳の器質的損傷、すなわち、脳細胞等が損傷し、変化してしまったことで生じるものと考えられています。
そして、「自賠責保険における高次脳期障害認定システムの充実について」という報告書によれば、等級認定を行う自賠責保険会社は、脳の器質的損傷の有無の判断において、CTとMRI検査を有用な検査資料と捉えています。
なお、SPECT、PET等の検査もありますが、これらのみでは器質的損傷の有無等を確定的に示すものでないとされています。
CT、MRI検査は高次脳機能障害でどうして使われるのですか?
高次脳機能障害が疑われる場合、急性期の初期診療では、意識障害ゆえに体内に金属があるか不明であり、強力な磁力を用いるMRI検査をとれないことが少なくありません。
そこで、頭蓋内の病変をおおまかに確認するためにまずはCTを行うことが多いです。
しかし、微細な脳損傷を検出するにはCTでは十分ではありません。
CTで画像上の異常が認められなくても頭蓋内の病変が疑われる場合には、外傷後早期にMRI検査を受けるのが望ましいです。
MRI検査では脳の微細な損傷等も撮影できるため、外傷直後のCTで正常に見えても、MRI検査により脳内の出血等が判明することがあるからです。
MRI検査で気を付けることはありますか?
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