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交通事故被害相談@岐阜

交通事故の入通院慰謝料はどのように計算するのですか?

  • 文責:所長 弁護士 古田裕佳
  • 最終更新日:2020年12月2日

1 入通院慰謝料とは何か

入通院慰謝料とは、交通事故によって受傷し、一定期間入院したり、通院治療を余儀なくされたことによる、精神的・肉体的苦痛に対する慰謝料です。

このような精神的・肉体的苦痛は事案により異なるため、一様に決まるものではありません。

他方で、同じような事案でありながら、入通院慰謝料額に大きな差が生じてしまうのも公平に反します。

そこで、実務上では、目安となるいくつかの基準を作られており、受傷の程度や通院状況等を考慮の上、通院慰謝料の金額を算定することになります。

2 入通院慰謝料の計算方法

入通院慰謝料の計算には、いくつかの基準があります。

⑴ 自賠責基準

自賠責基準は、車両所有者に加入が義務づけられている自賠責保険の基準であり、最低補償額としての意味をもちます。

①「日額4300円×実際の入通院日数×2」、②「日額4300円×実際の入通院日数」の、いずれか低い方が入通院慰謝料額となります。

例えば、90日間通院し、通院実日数が50日である場合、①では43万円、②では38万7000円となるので、低い方である38万7000円が自賠責基準における通院慰謝料額となります。

⑵ 任意保険基準

各任意保険会社が設けている基準です。

一般的には、入通院期間を基準にしつつ、通院頻度により増減の修正をしているように思われます。

⑶ 弁護士基準

弁護士が介入した場合に用いる基準であり、裁判所が慰謝料計算の際に使用する基準でもあります。

通称「赤い本」、「青本」と呼ばれる書籍に詳細が掲載されています。

赤い本では、別表Ⅰと別表Ⅱとがあり、原則として別表Ⅰを用い、むち打ち症で他覚所見がない場合等では、別表Ⅱを用います。

また、青本では、上限と下限があり、程度の軽い神経症状、軽い打撲・挫傷のみの場合には下限を用い、大腿骨の複雑骨折又は粉砕骨折、脊髄損傷を伴う脊柱の骨折等、苦痛や身体の拘束が強い症状の場合は上限を用います。

赤い本、青本のいずれも原則として入通院期間を基準にして算出しますが、あくまで目安であるため、傷害の部位、程度によっては基準を超える金額で請求することもあります。

なお、症状、治療内容、通院頻度をふまえ、実際の通院日数が少ない場合には、慰謝料算定における通院期間を修正されることもあります。

例えば、頸椎捻挫で180日通院、通院実日数30日である場合に通院期間のみで算出すると、赤い本では89万円、青本では76万円が慰謝料額の目安となります。

しかし、通院実日数が少ないため、慰謝料算定の基礎となる通院期間を修正され、赤い本では通院実日数の3倍である90日、青本では通院実日数の3.5倍である105日の通院とみなすことがあります。

この場合、赤い本では53万円、青本では51万5000円となり、実際の通院期間を基準に算出した場合と比較して、大きく減額してしまいます。

そのため、実際の通院日数が少ない場合には、通院期間を修正すべき事案か検討し、必要であれば、しっかり争っていかなければなりません。

3 弁護士への相談

交通事故に関する知識がないと、保険会社が提示する通院慰謝料の金額が妥当かどうか判断するのは困難です。

保険会社から提示された賠償額の内容について確認したい方は、ぜひ、弁護士法人心 岐阜法律事務所へご相談ください。

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